トラックの荷台
本土から船で1時間程度離れた日本海に浮かぶ島で仕事していた時期があります。電車もバスも無いので、山のふもとにあるアパートから、山の頂上の会社まで毎朝40分走って通勤していました。帰宅時は山から見える海の景色を見ながら下山していました。通勤に使えると思って本土から自転車を島に持っていきましたが、島には平地がほぼなく、坂ばかりだったので、自転車が全く役に立たず、海風で錆びて使えなくなりました。山のふもとのアパートの近くには港がありましたが、港から山の頂上までは、物資を運ぶトラックが1日2往復ぐらい出ていましたので、たまたま通勤時間とトラックの運搬の時間が合うときは、トラックの荷台に詰め込まれた段ボールの空いたスペースに乗っけてもらい移動できたので快適でした。山道なので体が浮き上がるぐらいガタガタ揺れましたが。40分走って登山するのに比べたら、トラックの荷台は贅沢な交通手段でした。
引っ越しのときは毎回、昔を思い出して「トラックの荷台に乗りたい」と引っ越し業者にお願いしていますが、近年は「法律的にだめ」と断られてしまうのが残念なところです。
クリニックに段ボールの荷物がたくさん届きますが、段ボールとともにトラックの荷台に乗って通勤していた昔を思い出すことがあります。